市民と野党をつなぐ三田の会ー虹の会さんだ

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「LGBT差別発言」と「強く美しい国」の正体

杉田氏のLGBT差別発言は安倍政権の体質

 自民党杉田水脈(みお)議員の月刊誌・新潮45でのLGBTの人たちへの差別的発言は、余りに無知で軽蔑に値するものです。言論の自由などでは無く、発言すること自体がNGです。その発言内容を要約したものを色文字で示しておきます。片や政権与党の自民党内で問題視されていないことも見過ごせないものです(後に世論の批判に形ばかりの指導?だけはしたようですが)。当の杉田議員はツイッターで世論の批判に開き直ったコメントを書いています。良識や知性が欠落した人間が安倍政権では国会議員として、日々デマをまき散らしています。

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▲杉田議員のアカウント。LGBT差別発言の開き直りツイートと自民党内の右派体質が杉田発言を擁護の様子が分かる。ユーザー欄に自民党の和田、山田議員と維新の足立議員の名が。類は友を呼ぶでしょうか

◎LGBTだからといって、実際そんなに差別されているものでしょうか。
◎「生きづらさ」を行政が解決してあげることが悪いとは言いません。しかし、行政が動くということは税金を使うということです。例えば、子育て支援や子供ができないカップルへの不妊治療に税金を使うのであれば、少子化対策のためにお金を使う大義名分があります。しかし、LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり「生産性」がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか。
◎「常識」や「普通であること」を見失っていく社会は「秩序」がなくなり、いずれ崩壊していくことにもなりかねません。

 杉田議員の考え方は稚拙そのもの。自身と異なる考え方を持つ人間を異端視し、非生産性という非人間的な表現で差別・偏見を煽る悪質なデマです。これに悪乗りする形で谷川とむ議員の同性愛者に対しての「趣味みたいなもの」の発言も同様。政権与党の憲法の保障する基本的人権や個人の尊厳に対しての嫌悪感が露骨に現れていると言えるでしょう。二階幹事長のこの問題に対しての認識には国会議員として憲法遵守の義務さへ全く感じられない無責任振り。杉田発言には「人それぞれ政治的立場はもとより、いろんな人生観もある」語り、一方谷川発言には「大げさに騒がない方がいい」とも語り、全く問題視していないこのズレまくりのコメントには怒りを覚えます。

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杉田水脈衆院議員の議員辞職を求め、自民党本部前で抗議活動をする人たち=2018年7月27日、長島一浩撮影・朝日新聞

詩織さんの山口の準強姦罪の告発にも誹謗・中傷

 杉田議員は元TBS記者の山口敬之(安倍首相のお友達)による伊藤詩織さんレイプ事件のBBCドキュメンタリーの中で、詩織さんに女としての落ち度があったなどと事実無根の誹謗・中傷もしています。その様子は動画として公開されていますが、杉田議員を始め動画中の出席者全員の人間性を疑わざるを得ません。残念ながらBBCドキュメンタリー『日本の秘められた恥』は日本では放送されませんでした(日本のメディアの不甲斐なさには毎度のことながら失望!)。山口は安倍首相のお友達という事で、逮捕状執行を免れています。警察への露骨な政治介入で、恥知らずの「ネポティズム」です。勇気あるレイプ告発をした詩織さんは、その後のネトウヨの嫌がらせで日本で暮らすことができず英国に滞在中ですが、無法がまかり通るまさに日本の恥です。日本社会の性犯罪に対する偏見やセカンドレイプのような取り調べの警察・司法のあり方を鋭く追及したもので、英国では大きな反響を呼びました。興味のある方はリンクを張っておきますので、閲覧ください。

下の動画は杉田議員の「女としての落ち度発言」の動画ですが、出席者は左から自民党長尾敬杉田水脈千葉麗子花田紀凱、一番右手がはすみとしこ。こんな発言を繰り返す彼らは、全て安倍首相のお気に入りです。杉田議員も安倍が自民にスカウトしており、安倍首相の代弁者として差別と偏見を社会に拡散しています。

差別発言の背景にある時代錯誤の「家父長的家制度」

 杉田議員のとんでも発言の裏には安倍自民が狙う「戦前の家父長的家制度」復活の企みがあり、それに沿って無理筋の理屈を忠実に拡散していることが分かります。安倍首相に気に入られ、ご褒美が欲しくて声高に暴論を吐きまくっており、政治家の劣化・幼児化は目を覆うものがあります。

 ご存じのように2012年の自民党憲法改正草案24条では「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない」と変えられ、「家父長的家族制度」が担保されています。現憲法24条の個人の尊重に基づいた婚姻の自由や夫婦の同等の権利保障が否定されています。

 一見まともに見える条文ですが、その本音は2007年の自民の「新憲法大綱案」の24条はもっと露骨です。『祖先を敬い、夫婦・親子・兄弟が助け合って幸福な家庭をつくり、これを子孫に継承していくという、わが国古来の美風としての家族の価値は、これを国家による保護・支援の対象とすべきことを明記する』とあります。家族という美名のもと、貧困・病気・障害・介護も家族に押しつけ、自己責任・自己犠牲を強いるもので、政治が果たすべき共生の概念が全く欠落しています。LGBTなどの性的マイノリティーは彼らの家族観からは外れ、卑劣な差別や排除の対象となります。LGBTのみならず、社会的弱者は切り捨てるという間違った発想の持ち主の集団が安倍自民です。所詮権力者のご都合主義のデタラメであり、国民のひとり一人の権利や尊厳、自由を制限することが狙いです。兎に角刃向かう事は許さない、圧力で黙らせるという陰湿な今の安倍政権のやり方そのものです。

安倍政権の目指す「強く美しい国」への危険な企み

 この安倍政権とその一味の差別主義・排外主義の行く付く先は戦前・戦中の国家主義の日本を作り上げることにあります。平たく言えばこんな具合でしょうか。

 国民は国に忠誠を誓い、国は国民を守る。国家と国民が互いに協力し合ってよい国をつくろうという、家族的な国家を目指すという。「強く美しい国」は、国外の敵(日本を攻撃してくる国)と勇敢に戦い、国内の敵(政府に反抗的な人々)を強い力で弾圧しなければなりません。ですから憲法の三原則(国民主権戦争放棄基本的人権の尊重)を変更し、国防軍を作って、緊急事態条項を憲法に加えるのです。

 奇しくも日本会議の今年の憲法記念日のフォーラムで冒頭の声明文で「緊急事態条項」創設を宣言しています。朗読者の近藤大助氏の読み方が最上級に下手なので聞き逃してしまいそうですが、動画の57秒当たりではっきりと述べています。『西日本豪雨』に見る安倍首相と取り巻きの危機意識欠如と災害被害放置を見れば明らか。彼らが国民の生命と財産を守るためではなく、権力維持・独裁を強めるための手段として「緊急事態条項」を持ち出しているに過ぎません。これほど危険な条項の創設は断じて許してはなりません。

ついでに安倍首相がネトウヨ御用達の大阪読売テレビの〈そこまで言って委員会〉での「国ために命をかける」などと放言と、津川雅彦氏とのやり取りの動画もご覧ください。動画の中でニヤける安倍首相の大勘違いの全能感が堪らなく不快に感じられます。

5/3 #公開憲法フォーラム 声明発表。宗教団体 #日本会議 主催。安倍首相も熱いビデオメッセージを寄せた
うわぁ~。昔の軍隊みたい…戦前の映像を見ているようだ!

「今こそ憲法改正の国会決議を実現するよう各党に強く要望する」

みなさん!この人たちが推し進める改憲を本当に許していいんですか? pic.twitter.com/s9zud0CJte

 杉田差別発言も「戦争のできる国」にひた走る安倍政権のドス黒い企みに直結してきます。独裁体制を作り上げるために、国家の美名の下、国民の命と生活を犠牲にするやり口に断固反対しなければなりません。安倍首相の異常な国民支配欲求は、先の憲政史上最悪の国会に見られる様に、ここにきてさらにエスカレートしています。世論が動かない限り、安倍政権はのさばり続けます。私たちは立憲主義の立場を守り、今日の民主主義制度のあらゆる選挙を通じて、安倍政権にNO! を突きつけ、打倒しなければなりません。

 安倍政権下でフェイクがまき散らされ、真実が隠蔽され日々壊れていく日本。アベノミクスは単なる選挙対策スローガンでしかなく庶民が豊かになった成果はありません。ネオリベラリズム新自由主義の経済政策を行う安倍政権に公平な所得分配や労働者の賃金の底上げは端から政策の選択肢には存在しません。大企業や富裕層が豊かになっても庶民が豊かにならないことは、この政権の5年余りで一貫した実質賃金下落や社会保障費大幅カットの事実が証明しています。片や米国の言いなりの武器購入で防衛費の額・上昇率は右肩上がり。それでも国民は「他に適当な人がいない」「期待できる政党がない」という理由で自公支持、投票棄権で安倍政権を継続させていいのでしょうか。

 この政権は『ウソつき、身びいき、おかしい』と思う人は多いはず。政治は国民が主体となって行うもの、憲法に謳われる「国民主権」の意義はそこに存在します。自分たちの生活を豊かにしない政府・議員には投票しないという意思を示す権利があります。国民は騙し易い従順な存在でしかないと嘯く安倍政権は、国民にとって害悪でしかありません。「ネポティズム」政治の安倍政権打倒で真面な政治が行われる日本に立て直すことは、喫緊の課題です。

◎ブログ更新遅くなり申し訳ありません。虹の会ニュース7月号のPDFを添付します。ご高覧よろしくお願いします。

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