市民と野党をつなぐ三田の会ー虹の会さんだ

市民の力で、野党共闘を実現しよう。

2019参院選と安倍政治その後 2の1

2019年参院選は戦後2番目の低投票率48.80%

 2019年参議院議員選挙は、95年に次ぐ戦後2番目に低い投票率48.80%(朝日)、政治への関心の低さが表れている。有権者の2人に1人が投票しないという事実。安倍1強のもとで、低投票率が衆参とも続く。低投票率は組織票がものを言うが、民主主義が危機に立ち入っていることを示している。安倍の憲法改正を阻止するための与党の3分の2(164)は、危険な安倍改憲に反対する市民の力で阻止できたが、与党160(自民+公明+維新)との差は4議席。安倍の国民民主などへの揺さぶりで、発議のできる3分の2も微妙と見ることもできる。なぜなら野党共闘市民連合との共通政策の1丁目1番地の安倍改憲阻止について、国民・玉木代表の安倍改憲にのるような「憲法改正議論を進める」(7月25日)との発言があるからだ。後で訂正したようだが、政策をかくも軽く扱うようではこの先心配になる。参院選で示された民意は安倍改憲反対ということを肝に銘じて欲しい。

f:id:rainbowsanda170422:20190817001307j:plain
5人に1人の支持で政権を維持する安倍自民

 安倍は選挙後、参院選の結果を受け、安倍晋三首相は7月22日の記者会見で「国民からの力強い信任が得られた」と豪語したが、果たしてそうだろうか。21日投開票の参院選で「勝利」を口にする安倍自民党が獲得した得票数を分析したところ、棄権者も含めた全有権者に占める得票割合を示す「絶対得票率」が、比例代表でも選挙区でも2割以下となっている。2012年末の安倍政権復活以降行われた衆参の国政選挙の中で最低。安倍政権の弱者切り捨て、大企業・富裕層優遇、米国従属の外交など、その傲慢な政治姿勢と偏った政策は国民の大多数には支持されていないことが分かる。

当選者に赤いバラをつける安倍。拍手するのは左から加藤、甘利、萩生田の面々。困った政治家ばかり。

当選者に赤いバラをつける安倍。拍手するのは左から加藤、甘利、萩生田の面々。困った政治家ばかり。

f:id:rainbowsanda170422:20190816234835j:plain

 今回の参院選自民党比例代表得票は1771万票。有効投票総数に占める得票率は35.4%だが、絶対得票率では16.7%に低下。この得票で同党は比例代表(総改選数50)で19議席を獲得。

 一方、32の1人区、13の複数区の選挙区での自民党得票は2003万票。ここでも有効投票総数に占める得票率は39.8%と高くなっているが、絶対得票率では18.9%。2割に満たない支持で同党は選挙区(総改選数74)の5割を超える38議席を獲得。

 比例代表はブロック別、選挙区はすべて小選挙区という参院選挙制度とは異なる衆院選でも、自民党の比例得票の絶対得票率は2割を切り、選挙区でも3割に届かない状況だ。

 自民党議席獲得の優位は偏に低投票率に支えられている。連立を組む公明党も比例では前回と同様7議席を獲得したが、前回の757万票から600万票台に落ち込んだ。

 野党第1党の立憲民主党は800万近い比例票を獲得し、8議席を得たが、結党後の17年衆院選の1108万票から大きく落ち込んだ。

f:id:rainbowsanda170422:20190820210813j:plain
れいわ新選組の主張は今の政治へのアンチテーゼ

 私見で恐縮だが、参院選前から共産党を除いて「れいわ新選組」を偏見無しで、正当に評価していた政党は無かったのではないか。安倍自公はもとより、野党第1党の立憲民主党も色眼鏡で見ていたのではないか。従来の常識にとらわれ、「れいわ新選組」は泡沫政党だと見下していたのではないか。山本太郎氏=れいわ新選組についてはぜひ書き留めておく必要があると思っている。なぜならこの第2次安倍政権の7年で、政治が見捨ててきた人たちがいかに多く、その結果この国の貧困が拡大したことか。人を生産性でしか見ない政治をこのまま続けさせていいはずがない。

 「生きててくれよ!」こんなフレーズをこれまでの政治家が、演説で使っただろうか。彼の共感の根幹はこの呼びかけに尽きる。山本氏は常に弱者目線だ。生きづらい世の中を、一緒に変えたい、手を貸してくれませんかと語りかけ、市民が政治の参加者になるよう訴える。街頭演説での山本太郎氏の演説は反対者に対しても敬意を払い、その対応は対話的、宥和的であり、有権者の信頼を勝ち得ている。

 話はそれるが、感情をむき出しにすることで人気を集める政治家はあまたいる。「利己的で、狭量で、感情的」であることを「等身大」として肯定し、あたかも議員や首長として彼らが自分たちを適切に代表してくれるはずだという間違った考え方が広まった。嘆かわしいが「維新の政治」がズバリそうだ。公人は反対者も含めて集団の利益を代表する仕事であり、断じてこんな政治家を公職につけるべきではない。大阪知事・市長選や参院選での維新の勢力拡大は、民主主義の危機の表れだ。愛知トリエンナーレの一部企画展中止に追いやった大阪知事・市長の発言は、憲法で保障される表現の自由への重大な政治介入だ。

 「れいわ新選組」の候補者選びはこれまでとまるで違う。これまでの立候補者のパターンは何がなんでも政治家になりたい人間(理念より権力・お金を手にしたいという一番質が悪い人たち)や社会的アッパークラスの弁護士、実業家、学者、タレントが選挙に出ることが一般的で、障害、貧困・格差、性的マイノリティの当事者が直接立候補することはまれ。既存政治の矛盾を自らの経験を踏まえて訴えていくことに、「れいわ新選組」はそこにこだわった。これまではステータスのある候補者であれば、たとえ落選しても食べていける。片や「れいわ新選組」は当事者だ、厳しい現実が待ち受けている。社会における弱者として生きづらさを強いられた人たちが自らが当事者として、政治に見捨てられてきたことに異議を唱える。当然覚悟がいる。

 まともな選挙資金もない「れいわ新選組」が全国の街宣とSNSを駆使して、街頭あるいはネットで共感を得て、4月の党立ち上げから選挙前までに4億円超の選挙資金を集めている。全てではないが、多くは生活に余裕のない市民からの寄付だ。選挙では比例区で200万票以上の票が投ぜられた。この現象を単なる共感の拡大では分かりにくい。人間として信用できる政治家であると、多くの支持者は思ったからだと思う。安倍政治で日本の政治は劣化・醜悪を極め、ウソ、捏造、ごまかし、忖度、身びいき、排外思想、歴史修正主義、米国隷属、不純なナショナリズムとその惨状は見る影もない。国内は対立と分断がまかり通り、貧困層は政治から切り捨てられる。人々は政治が社会を変えてくれるという希望さえ失ってしまったかのようだ。

 「れいわ新選組」の集団については無縁者の集まりという見方もある。要はがんじがらめにされて、押さえつけれれてきた社会との「腐れ縁」を絶ちきった人々の集まりということ。今や「縁」は人々の自由を束縛する「腐れ縁」になってしまっている。人間同士の関係=縁が腐れ縁(家庭、会社、社会、政治を覆う息苦しさや生きづらさ)になれば断ち切りたいのは当たり前だ。

 この縁についてのコメントは参院選出馬の安冨歩氏(やすとみあゆみ)のブログに書いてあるので興味ある方は読んで頂きたい。リンク設定済み。朝日の想田和弘氏も縁について触れているのでご参考に。

https://anmintei.net/a/688

共産 志位委員長 「野党連合政権」構想で協議呼びかけ

 選挙の時だけ野党共闘では、安倍政権は倒せない。共産党の志位委員長は、8月8日夜、東京都内で講演し、安倍政権に対峙していくためには、政策面の違いを留保してでも野党間の連携をさらに進める必要があるとして、次の衆議院選挙(2021年10月任期満了)向けて、「野党連合政権」の構想を取りまとめるため、他党に協議を呼びかけたいという考えを示しました。

 この中で、志位委員長は、先の参議院選挙で憲法改正に前向きな勢力が、参議院全体の3分の2を維持できなかったのは、野党間の共闘の成果だとしたうえで、「野党共闘が政治を変えるという本気度が強く求められている」と指摘しました。

 そのうえで、「安倍政権に代わる野党の政権構想・『野党連合政権』に向けた話し合いを開始したい。政治的な分岐点については互いに留保、凍結して一致点で合意形成を図ることが大切だ」と述べ、次の衆議院選挙向けて、政権構想を取りまとめるため、他党に協議を呼びかけたいという考えを示しました。

 国会では秋の通常国会に向けて、「立憲」と「国民」、「社会保障を立て直す国民会議」も含めて統一会派結成に向けた動きがある。けれど共産党抜きでは意味がないのではないか。今日の市民+野党共闘の戦略を主導してきたのは共産党だ。低投票率が続く国政選挙で、無党派層を政治に再び呼び戻すには、野党が一体となって腐敗した自公安倍政権を打倒するしかない。立憲は支持母体に労組の「連合」があるが、その無意味な共産アレルギーに同調して路線を誤らないで欲しい。

 要は小学生並みのまっとうな政治とはとても言えない安倍政治を一刻も早く終わらせなければならない。対立と分断、そして20年に及ぶデフレ経済。失われたものは余りに大きく社会は毀損している。ならば、野党が取るべき行動は明らかではないか。有権者はそんなに悠長に待ちはしない。野党は結束して連合政権のビジョンを示すべきだ。

f:id:rainbowsanda170422:20190821001948j:plain